被害にあわれた方、ご家族の方へ
被害にあわれた方のご家族・関係者へ
- 被害者にしてあげられること
- 被害者への接し方
- 家族や友人が気をつけること
家族や友人が気をつけること
家族
家族は被害者と接する時間が長い上に、被害者ととても近い存在なので、精神的に動揺しています。その動揺が被害者に対して責める言動になって表れることがあります。また、被害者と同じように、家族も社会や周囲の目を気にしてしまい、被害者に沈黙することを要求してしまうこともあります。被害者もまた、家族には心配をかけたくないので、被害のことを話さなかったり、元気そうに振る舞うため、家族はどうして自分たちに相談してくれないんだろうと傷つくこともあります。家族もまた、被害者なのです。家族が支援を受けて被害者を理解し、家族のこころの傷も回復することが必要です。
恋人、配偶者
被害者がいちばん信用して打ち明けるのは、恋人や配偶者であることが少なくありません。恋人や配偶者はしばしば加害者に対する激しい怒りを表して、被害者を当惑させたり、心配のあまり、被害者の意思を無視して、あちこちに相談したり行動したりすることがあります。動揺のあまり、被害者に落ち度があったのではと責めてしまうこともあります。特に恋人は、被害者の不安を解消しようとして、初期にはいつも一緒に過ごしたり、何でもしてあげようとして一人で抱えすぎることがあります。結局負担になって別れてしまうこともあり、被害者を最終的に傷つけてしまいます。
それを防ぐためには、あまりにも一人で抱えすぎないことです。被害者支援センターなどの相談機関に、恋人や配偶者が相談に行くというのも一つの方法です。
長期的には、性的な関係が問題になってきます。当然ですが、被害者は身体的な接触に強い拒否感をもつことが多いのです。被害者が性的な行為をしたくない、あるいはそういった行為に喜びが得られないのは、周囲が考えるより長く続くことがあります。そういった場合には、お互いがどのように考えているのかを話し合い、被害者の気持ちを尊重することが大切です。
友人
被害者は信頼できる友達に相談することがあります。友達も大変ショックを受けるとともに、自分が何をしてあげたらいいのか悩んでしまいます。悩んで無力感を感じると、しばしば言わなくてもよいことも言ってしまいます。「がんばって」というのはつい言ってしまいがちな言葉ですが、被害者には「これ以上何をがんばればいいの」とか、「私はやっぱり頑張りが足りないんだ」と思わせてしまいます。むしろ、「あなたはやれるだけのことは十分やっている」というふうに被害者の自尊心や自信を強めてあげることが大切です。