犯罪被害にあわれた方とそのご家族、支援するこころの専門家のために

アクセシビリティ確保

文字サイズ 小中大    背景色・文字色の変更 標準黒黄色

精神医療、心理関係者の方へ

さまざまな犯罪の被害者への治療・対応

ドメスティック・バイオレンス被害者のメンタルヘルスと対応

 ドメスティック・バイオレンス(Domestic Violence 家庭内暴力、以下DV)は繰り返し長期にわたって行われていることが多く、家族関係やメンタルヘルスに深刻な影響を及ぼすことが知られています。

 ここで言うドメスティック・バイオレンスとは、配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる心理的、身体的、性的な暴力を指しています。

葉っぱのイラスト

DVの被害者は、さまざまな診療科にさまざまな主訴を持って受診しています

 これまで行われてきた調査では、被害者はメンタルヘルス上の多彩な訴えや身体に関する負傷と不調の多彩な訴えをもって受診することが多く、DVの被害をうけていると最初から言うわけではないということがわかっています。

 そこで色々な職種の専門家がかかわる可能性を考えておく必要があるといえます。

葉っぱのイラスト

それぞれの専門家の求められる具体的対応はどのようなことでしょうか

  1. 今、安全な状態かどうか確かめる
    家にこのまま帰って大丈夫なのか?外で加害者が待っている可能性はないか?シェルターが必要な場合は配偶者暴力相談支援センターへ通報する。危険が迫っている場合は、もちろん警察に通報する
  2. 家族の関係に注意する
    ―ひとりにして話を聞く
    ―住所や連絡先などに注意を払う
  3. パンフレットや本を利用して情報提供する
  4. 守秘義務の解除と保護命令について知っておく
    • 守秘義務の解除については、配偶者からの暴力の防止と被害者の保護に関する法律の第3章「被害者の保護」に条文があります
    • 保護命令については以下の2種類があります
      接近禁止命令(期間6ヶ月):
      被害者と同居の未成年の子どものそばに近寄る事を禁止する
      退去命令(期間2ケ月):
      自宅からの退去を命じる
  5. 子どものメンタルヘルスに注意することが必要です
    DV被害者が自立しても、経済的困窮や精神健康の悪化が続くため、安定した治療関係の維持が必要です。またそれに伴って子ども虐待などの問題も生じることもあり、専門家の継続的な目配りが重要だといえます

出典:小西聖子:第三部第三章ドメスティック・バイオレンス被害者のメンタルヘルスと対応. 小西聖子編「犯罪被害者のメンタルヘルス」, 誠信書房, 2008年. より抜粋

木のイラスト

ページの冒頭へ

前のページへ

スマートデバイス用資料バナー