精神医療、心理関係者の方へ
PTSDに対する特別な心理療法
PTSDに対する効果的な介入にみられる共通点
現在、PTSDに効果のあるとされる心理療法モデルは、本人が現実に直面し自己調整することができるように援助するという点で共通しています。介入の基本的条件としては、安全で効果のあることが大事ですし、介入の鍵は①感情に触れること②回避行動への直面化であると言われています。
PTSDに対する効果的な介入にみられる共通点
PTSDに特化した心理療法はさまざまでありますが、PTSDのどの部分を重視するかの違いです。その性質から大まかに3つの種類に分けることができます。
- 集中型グループ
集中型というのは、簡単に言うと「トラウマとなる引き金」、「不快症状」、「逃避行動」のいずれか一箇所に集中して介入を行い、間接的にその効果を全体に及ぼそうとする方法
- 認知療法(CT)
- 系統的脱感作法(SD)
- ストレス免疫法(SIT)
- 主張訓練法
- バイオ・フィードバック訓練(BF)
- リラクセーション
- 統合型グループ
統合型は上記の複数の部分に対して意図的な働きかけが行われる介入方法- 持続エクスポージャー療法(PE)
- 認知処理療法(CPT)
- 眼球運動による脱感作法(EMDR)
- その他のグループ
- 支持的心理療法
- 精神分析
- 催眠療法
出典:堀越勝:第三部第五章 PTSDに対する特別な心理療法. 小西聖子編「犯罪被害者のメンタルヘルス」, 誠信書房, 2008. より抜粋