被害にあわれた方、ご家族の方へ
犯罪被害後の心理的影響
- 一人で苦しまないで
- トラウマとは
- 被害から間もない時期に起こりやすいこと
- 長期的な反応1 PTSD
- 長期的な反応2 うつ病その他の精神疾患
- 長期的な反応3 体や気持ちの変化
- 遺族の方に表れる反応 -悲嘆反応-
長期的な反応1 PTSD
被害によっては、長期的な反応が見られる場合も少なくありません。長期的とは、数か月、さらには年単位で続くことをいいます。
長期的な反応の中には精神的な疾患(病気)であるものがあります。その代表がPTSD(Posttraumatic Stress Disorderポストトラウマティック・ストレス・ディスオーダー;心的外傷後ストレス障害)です。他にも、うつ病やパニック障害などその他の精神疾患にかかる場合もあります。(ここでの症状はDSM-5に基づいています。 )
PTSD(心的外傷後ストレス障害)
PTSDは、以下の4種類の症状が1か月以上続くことが特徴です。
- 事件に関連した侵入症状
- 事件の不安な記憶が思い出したくないのに頭に浮かんでくる
- 事件に関係している苦痛な夢を繰り返し見る
- 事件が再び起こっているように感じたり振る舞ったりする(事件の時の音や声が聞こえたり、情景が見えたり、においがしたりすることがある。現実から離れて事件に戻ったように生々しく再現されていることを「フラッシュバック」という)
- 事件に関係するようなものや状況に出会った時に強い不安や恐怖、苦痛を感じたり、動悸や呼吸困難、震えなどの身体の反応が出る
- 事件に関係しているいろいろなことを避けるようになる(回避)
- 事件に関することをできるだけ思い出さないようにしたり、考えたり感情がわいてくるのを避けようとする
- 事件を思い出させるようなもの(人、場所、会話、行動、物、状況)を避ける
- 事件に関連して考え方や気分が否定的な方向に変化をする
- 事件に関することが思い出せない
- 「わたしが悪い」「わたしには何か深刻な以上がある」「誰も信用できない」「世界は危険だ」と考える
- 事件が起きたことについて過剰に自分のせいだと考えたり、他人のせいだと考える
- 恐怖、戦慄、怒り、罪悪感、または恥のようなネガティブな感情を強く感じる
- 仕事や学校、友人関係など今まで大切だった活動に参加する意欲がなくなる
- 他の人から疎遠になっていて、孤立した感じがする
- 幸せや愛情などの感情が感じにくくなる
- 神経が敏感になった状態が続く(覚醒度と反応性の著しい変化)
- イライラして突然怒ったりする
- 自分のことを傷つける可能性のあることをする
- いつもびくびくして周囲を警戒するようになる
- ちょっとしたことでも跳び上がるように驚いてしまう(驚愕反応)
- 集中力がなくて根気が続かない(本が読めない、仕事や勉強ができない)
- 眠りにつけない、途中で目が覚める、眠りが浅い