被害にあわれた方、ご家族の方へ
犯罪被害後の心理的影響
- 一人で苦しまないで
- トラウマとは
- 被害から間もない時期に起こりやすいこと
- 長期的な反応1 PTSD
- 長期的な反応2 うつ病その他の精神疾患
- 長期的な反応3 体や気持ちの変化
- 遺族の方に表れる反応 -悲嘆反応―
トラウマとは
事件直後だけでなく、こころへの影響は、長くあなたに残ってしまいます。
「クシャクシャに丸めた紙のよう」と言われた被害者の方がいました。紙は少しずつ元に戻ろうとしますが、元の紙の形ではなくなっています。無理に広げようとすると破れてしまいます。
そのようなこころへの影響をトラウマ(trauma:こころの傷・心的外傷)といいます。
トラウマを起こすような出来事を外傷体験といい、犯罪被害にあったり災害や事故にあったりした時に起こります。
外傷体験の例
- 自分の命に危険が及んだり、身体の安全が脅かされるようなこと。
- 他の人が傷つけられたり、脅かされているのを目撃すること、あるいはあまりにも悲惨な場面を目撃すること。
- 自分にとって身近な人(家族、恋人など)が悲惨で残酷な目にあったりあるいはそれによって亡くなったことを知ること。
このような出来事に出あった時に、強い恐怖とぞっとするような感覚、自分にはどうすることもできないという無力感を感じます。そのことがトラウマ反応を引き起こすのです。
例えば‥殺人、暴行、傷害、強姦などの性暴力、家庭内暴力、児童虐待、戦争、テロ、捕虜や誘拐、災害、事故などがそうです。
このような外傷体験がトラウマを引き起こします。
PTSD(外傷後ストレス障害)は、このトラウマの一つなのです。
今あなたは、事件に少しでもかかわりのあることなど、考えたくないと思っているかもしれません。
でも、あなたの体験していることや自分の身に起っている反応が何なのかについて知ることが、回復のための第一歩になるのです。